Kの所感

管理人ケンヤの色々なことに関する所感を綴っていくブログです

狙い撃たれた「Vtuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」について

久しぶりのブログ投稿。

思うところあってブログをちょっと控えて別方面にちょこちょこやっていたのだけれども、やはり書籍について書くならばブログだよなぁと。

 

で、今回のものはVtuberにハマりつつある私が直撃された下記タイトルについて。

 一言で言えばタイトルにある通り、私のような、そして私以上にVtuberにハマっている人間だけを狙い撃ちしてきたような本でした。

あらすじ

詳しい粗筋といっても、もうタイトルが全て。

企業勢Vtuberをやっていた主人公が、配信切り忘れを起こしてその本性がダダ漏れしてしまったのだが、それが切っ掛けで一気に人気者への階段を駆け上っていく、という話。

 

もう一度言いますが、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。

そしてそれが故に、ターゲット層を見事に狙い撃ったという感じでした。

 

もう少しだけ詳しく言うと、これまでうだつが上がらなかった主人公が配信切り忘れを切っ掛けにこれまで以上にVtuber配信にのめり込んで行くのですが、そこで行われる「Vtuber的行動」というのがもう、Vtuber好きなら誰でも分かるもののオンパレード。

 

マシュマロとか、壺男とか、オフコラボでのお泊まりとか、リングフィットとか。まあ他にもありますが、どれもこれも「あ、これ配信でよくやってるやつだ」とよく分かり、更にコメントすらも重要な文章の一部だったりするので、こういったVtuberとコメントとのプロレスをよく見ている民としては、「あ、これだ」と腑に落ちるものでした。

 

私はVtuberもののラノベというものは他には一切読んでいないので知らないのですが、こうして潔くも「Vtruber的なもの」でだけで構成された本書には、本当にそれ以外のなにもないと言っても過言ではありません。

そして故に一般受けをするとは到底思えません。

 

なのでタイトルにある通り「狙い撃たれた」としか思えないのでした。

多分知らない人からしたら、「何か銃声が聞こえたかも?」くらいの大外しでしょうが、ターゲット層は皆撃ち抜かれてしまい、「そうそう!」と共感するか「ちっ、わかってないぜ」と解釈不一致ながらも結局読んでしまうという二つに分かれてしまいそうだな、と。

もうそういう戦略ですよね

そもそも私がこの作品を知るに至ったのは、この動画でした。

www.youtube.com

声優の佐倉綾音さんが、本書のタイトルにある「やらかし」を実際に一通りやってしまうという内容の動画なのですが、これがまた「こうなりそう」という納得の動画で。

YouTubeアプリのおすすめに他のVtuber動画に混じって上がってきたのですが、クリックしてみればコメントの流れ方とかを見ても「わかってる」感じで作られており。

明らかに普段Vtuberを見ている人達を狙い撃つプロモーションであり、その手にコロコロ転がされて本の購入にまで至ってしまったのは私だけではないのではないでしょうか。

 

この動画プロモーションしかり、内容しかり。これはもう戦略にまんまとハマったと言わざるを得ないものでした。

まあ内容自体はなろうでは無いですが、どこかの投稿サイトの投稿作品が元らしいので、それをよく探してきてプロモーションにも仕立てあげた方がいるということになるので、シャッポを脱ぐしかないなぁ、という感じでした。

とはいえ

とはいえ、柳の下に二匹目のドジョウを探すのもやや難しいかなとか思ってしまう作品ではありました。これと同じ手法で他のVtuber系のラノベが成功できるかというとかなりの疑問符が。

それに本作品についても、ラストを見るに続編への匂わせがあるし、もうちょっと読んでみたいとは思うのですが、それほど長く続けられるかといえば難しいかなと。

ストーリーがなく、キャラクターのかけあい(コメントとの掛け合いふくむ、というかそっちのが多い?)という特殊な作り方をしていているので、この勢いを保ったままどこまで走っていけるのか。

 

私個人はストーリー好き好き人間なのですが、手のひらでコロコロ転がされた結果読んだし面白いと思ってしまったのですが、それがどこまで続くのかが見ものだな、と思ってしまいました。